有明海で海苔の養殖を手掛ける常栄丸の
商品パンフレットを制作いたしました。パチパチパチ。
といっても、「常栄丸」という船に乗っているのは両親で、
父と母のために作ったものなのですが…(笑)
せっかくこういう仕事をしていて
四国の漁業や農業の現場には何度も足を運んで
撮影と取材をしてきたにも関わらず、
親の仕事に対して何も知らないなぁと思っていたんです。
第一次産業の仕事現場にいくと、両親の姿と重なることが多くて
余計にその気持ちが募ったのかもしれません。
仕事と向き合う姿を写真に残しておきたいのもあって
2020年のお正月に、父に船に乗せてもらって、
有明海の海苔の養殖場を見せてもらいました。
このへんは海苔漁師が多くて、
その家で生まれた子どもは親に連れられて、
海でお手伝いすることもフツーにあることなのですが、
(友だちも、近所の兄ちゃんも、海に行ってた)
うちは連れていかれることもなく、
それが当たり前かのように、家事さえ手伝わずに過ごしていたな…
大人になって、ちょっと罪悪感。
写真を撮りたいからという理由で、
船に乗るってちょっと自己中すぎるかな…と思いつつも
母が用意してくれたカッパを着て、毛糸の帽子とネックウォーマーを装着して、、、
段取りのよさを見ていると振袖の小物を用意する時の母に見えて
(あれ?ちょっとお母さんはりきってる?)ってな気持ちになりました。
ていうか、紫の毛糸の帽子は、
私が大学の時にジーナシスで買ったやつだし(笑)
筑後川の河口から船を走らせて辿り着く有明海は
内海なので基本的に穏やか。
平たい波の上に張り巡らされた海苔の網を目にしたとき、
それは筑後平野の整理整頓して並ぶ田んぼや畑の姿に似ていて
なぜ父が「海の畑」と呼ぶのかよーくわかりました。
潮の満ち引きに合わせて海へ行き、
きめ細かく手入れして、いい頃合いになったら摘みとる。
そうやって育てているのだなぁと。
その実りによって自分が育ったんだなぁと。
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